"ストレージ仮想化"という選択

"ストレージ仮想化"という選択 ~連載第4回~

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サーバ仮想化のメリットは、必ずしもサーバ仮想化しないと享受できない?

さて、ここまでずっとサーバ仮想化の話をしてきましたが、前述したサーバ仮想化で享受できるメリットは、サーバ仮想化以外の方法で実現できないのでしょうか?

サーバ仮想化のメリットを再掲します。

  • サーバ運用管理の簡素化(ハードウエア台数削減)による運用コスト削減
  • 電力・設置場所などのランニングコスト削減
  • サーバリソースの有効活用
  • レガシーシステム延命
  • 高可用性、耐障害性UP
  • イメージのバックアップによるディザスタリカバリ

サーバ仮想化でなければ実現できないメリットもありますが、実は、これらのメリットのうち、多くはストレージ仮想化でも享受できるのです。

ストレージ仮想化とは

第1回目の記事で、仮想化とは"物理構成に拘束されることなくリソースを柔軟に分割/統合すること" と紹介しました。
ストレージの仮想化も、この概念どおりのものです。
以下の図をご覧ください。

ストレージ仮想化とは

サーバ、ストレージを仮想化していない環境を左図に、サーバ、ストレージともに仮想化した環境を右図に示しています。
まず、サーバ仮想化について説明しますと、左図では、サーバは物理サーバの上にOS、APP(アプリケーション)、UI(ユーザインタフェース) をのせています。
当然ですが、サーバとOS,APP,UIのセットは1対1です。
それが、右図のようにサーバ仮想化を行うとどうなるでしょうか?
OS、APP、UI のセットはVM(仮想マシン)となって管理されます。
そのVMごとにCPU、メモリなどを仮想リソースとして割り当てます。
このように、サーバ仮想化はOS、APP、UIを縦の関係で包括し、リソースを割り振る技術になります。

一方、ストレージ仮想化はというと、左図の仮想化前の状態では、FCスイッチを介することで、サーバとストレージの関係はN対Mの様に見えますが、ストレージのLUN(Logical Unit Number)単位で考えると、サーバ対ストレージは、1対Nになります。

注)LUNとは、ストレージのディスクを論理的に分割した単位。RAID構成を組むため、また、1ドライブの容量が大きすぎて扱いにくい時などに利用されます。サーバは、ストレージをLUN単位で扱うことになります。

ストレージを仮想化すると、このLUN単位で扱われてきたストレージが、その境界をなくして統合的に扱えるようになります。
仮想化しない場合、ストレージのLUNをすべて1TBで作成すれば、サーバからも常に1TBで扱わざるをえませんが、仮想化した場合は、LUNをPOOLという形に変換し、そのPOOLから任意の容量を切り出すという手順をふむことで、サーバはLUNの制約にしばられることなくストレージを利用することができます。
各LUNが1TBの容量を持つ場合、3LUNをPOOL化すると、POOLは3TBの容量を持つことになります。
この3TBのPOOLから、100GBを切り出すことも、1.5TBを切り出すことも自由に行えます。
つまり、ストレージ仮想化とは、ストレージを横の関係で包括し、リソースを割り振る技術になります。

注)仮想化とは、"物理構成に拘束されることなくリソースを柔軟に分割/統合すること" ですが、厳密にいえば、LUNは物理構成ではありません。しかし、柔軟に分割/統合できないリソースであるという面から、物理リソースとして扱わせていただきました。

ストレージ仮想化のメリット

では、そのストレージ仮想化が、どのようなメリットを提供できるかについてご紹介したいと思います。

ストレージ仮想化でできることは、

  • ストレージ運用管理の簡素化
  • ストレージリソースの有効活用
  • システム無停止でバックアップが取得可能
  • バックアップ統合
  • 災害対策(ディザスタリカバリ)
  • 高可用性、対象外性UP
  • ハードウエア移行の簡素化

それぞれの詳細な説明は第6回目以降に行います。
各ベンダにより多少の違いはあるものの、ストレージ仮想化とは概ね上記のようなメリットが享受できます。
ストレージ仮想化を行うと、サーバ仮想化では享受できないメリットも多々享受できますが、サーバ仮想化のメリットの中で、ストレージ仮想化では享受できないものは、以下の4つになります。

  • サーバ運用管理の簡素化(ハードウエア台数削減)による運用コスト削減
  • 電力・設置場所などのランニングコスト削減
  • サーバリソースの有効活用
  • レガシーシステム延命

んっ、ストレージ仮想化を利用すれば、サーバ仮想化のメリットの半分以上を享受できるはずだったのでは?という声が聞こえてきそうです。
しかし、"SAN BOOT"という裏技を使えば、ストレージ仮想化はまだまだその潜在能力を発揮できるのです。

(つづく)

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